AJRAKH PRINT
アジュラクプリントは藍や茜(合成のアリザリンが使われる)をベースに、ヘナ、ザクロ、ターメリックなどの天然染料で染めたハンドブロックプリントです。
起源は約4,500年前のインダス川流域(現在のパキスタン、Sindh)だと言われており、現在、インドのアジュラクプリントの職人はその子孫にあたります。彼らは主にグジャラート州のカッチとラジャスターン州のバルメルで活動しているのですが、彼らの多くがムスリムである為、アジュラクプリントの柄にはイスラミックな幾何学模様が多く使われています。
このブロックプリントは、精錬※1、媒染※2、捺染※3 の段階で、約14~16もの異なる工程を経て完成します。布は洗われ、石やコンクリートに何度も叩きつけられ、染液に浸され、煮出され、複数の木版をスタンプされて、さらに、それぞれの工程が終わる度に乾燥した大地の上に広げられ天日干しされます。科学反応を利用した複数の工程が職人の緻密な計算によって自然の力を借りながら繰り返されるのですが、こうして出来上がった布は柔らかく、非常に肌触りの良いものとなります。
※1 精錬(せいれん):漂白や染色を完全に行うための前工程で脂質や糊、不純物を落とす作業
※2 媒染(ばいせん):布に染料(色素)を発色させたり、色素を定着させる為の作業
※3 捺染(なっせん):模様を入れること